文豪の永井荷風はご存じですか?荷風について様々な視点から紹介します。

永井荷風ってどんな人?


性格、思想、趣味、生活風景、作品などなど

 周りの友達からの「大学で何を勉強しているの?」との質問に「永井荷風の文学作品だよ」と答えると「誰?!」「知らないなあ」などの声が・・。


現代文学者というと、芥川龍之介夏目漱石森鴎外などが有名どころです。
永井荷風ってあまり知られていないんだな~」と悲しくなるのですが、正直に言うと私も大学に行くまではあまり知りませんでした。。

しかしなかなかの曲者である荷風さんを調べることが面白くなりました。そんな永井荷風についていろいろと記事にして伝えてみようと思います。

 

まずは、簡単に永井荷風は何者なのかを説明します。

 

永井荷風(1879年12月3日 - 1959年4月30日)
本名は永井壯吉。彼は明治・大正・昭和と三つの時代を通して文学作品を残した小説家です。しかし、荷風のつくる詩が素晴らしいもので、「小説家」よりも「詩人」としての評価を得ていました。さらに、慶應義塾大学の教授、内務省衛生局に勤務していた経歴も持ち、非常にマルチな人間なのです。


彼の代表作はふらんす物語』『冷笑』『墨東綺譚』などが挙げられ、『西遊日記抄』断腸亭日乗といった日記も書いていて人気を集めています。


荷風耽美派として論理性や道徳功利性よりも「美」「情調美」を作品中に生み出す芸術を最も大事にしていました。これはフランス文学の美しさに影響をかなり受けたからでしょう。
情景などの描写に趣深さがあふれ出ています

 

同時代の他の作家や彼の研究者は荷風を一言で表すと個人主義者」と表現しています。
彼は日本の近代社会の姿(軍国主義)に強い批判を示していた人物で、社会に入らず常に孤独な生活を送っていました。またアメリカでの留学経験から個人の自由と独立を基調とする市民精神の本質を得ており、彼の個人主義は確立していったのです。


当時の日本人の大部分が軍国主義にのまれていったのに、彼は何があっても反抗する精神、自己の生き方や作品の作り方を貫いていったのがまた感慨深いものですね。。

 

 

荷風断腸亭日乗の日記の中で、自身の孤独な生活ぶりを記し、社会の動きに触れて批判する言葉を残しています。そして自身の感情は詩にして「芸術の美しさ」を伝えています。日記などが残っていると、荷風がどんな人物かつかみやすいです。

 

また荷風の人物像として多く言われているのが「女好き」であるということです。自由人で女好きだったら色々批判を言われても仕方ないですよね。。

 


しかし、彼は西欧の芸術を日本に伝え、これまで日本になかった新しい考えを築いた人物です。時流に流されずに自分の精神をもって生き抜き、社会に訴え続けた荷風は素晴らしい方だと私は思います。

 

 

大学生活の中で永井荷風の研究に興味を持ち、様々な作品や先行研究、文献を読みました。

そこで得たわずかながらの知識を分かりやすく発信しようと思い、ブログを書いています。